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【ベトナム紀行②】コーヒーの街ディリン|農園訪問とGIブランド化への取り組み

2025年12月のベトナム訪問記、第2弾。本記事では、ラムドン省ディリン(Di Linh)の農園訪問の様子をお届けします。地図で見ると小さな地方都市ですが、歩いてみると「コーヒーの街」そのものでした。生産者との対話、政府主導で進むGI(地理的表示保護)によるブランド化、そして2026年に流通する高品質コーヒーへの期待まで、現地で得た気づきをご報告します。

ディリンってどこ?「コーヒーの街」と呼ばれる所以

ラムドン省ディリン(Di Linh)は、地図で見ると小さな地方都市ですが、歩いてみると「コーヒーの街」そのものです。家の裏庭に小さな畑を持つ農家から、大きな農園まで、昔からこの土地ではコーヒー栽培が当たり前のように営まれてきました。

いまも人口の大半が栽培・精製・流通など、何かしらコーヒーに関わる仕事をしていて、生活とコーヒーが切り離せない場所です。家屋の前の地面に大きなシートを広げてコーヒー豆を天日乾燥する、そんな日常の光景がそこかしこに見られます。

ディリンの農家の家屋前の地面で天日乾燥されるコーヒー豆
農家の家屋前の地面で天日乾燥されるコーヒー豆。「コーヒーの街」ディリンらしい日常風景

ベトナム政府も注目|GI認証で進むディリン産コーヒーのブランド化

近年はベトナム政府もディリン産コーヒーのポテンシャルに注目し、品質向上や地理的表示保護(GI:Geographical Indication)などブランド化の取り組みが進められています。GIは産地特性に基づく品質を保護・認証する仕組みで、産地ブランドを国際的に通用させるうえで欠かせない制度です。

農園では屋上に専用の乾燥場を設け、豆を熊手で丁寧に均しながら均一に乾燥させるなど、品質を担保するための工夫が随所に見られました。これからますます目が離せない産地になっていきそうです。

ディリンの農園で屋上の天日乾燥場のコーヒー豆を熊手で均す作業者
屋上の天日乾燥場で品質を保つために豆を均す作業。ブランド化の前提となる品質管理の現場

ディリンの農園訪問|農園主たちとの生きたコミュニケーション

前日に訪れたバオロクと同様に、ディリンの農園主たちともしっかりとコミュニケーションを図ってきました。実際にカッピング(コーヒーの香味評価)を交えながら、その年の出来や処理工程の課題、市場動向について率直に意見を交わします。

こうした顔の見える関係づくりこそが、現地の生きた情報を得るための一番の近道だと、訪問のたびに実感しています。

ディリンの農園主たちとカッピング(テイスティング)と対話の様子
農園主たちと一緒にカッピングを行いながら、産地の現状と今後について意見交換

2026年に流通する高品質コーヒーへの期待

ここディリンでも、今年の収穫は良いとのことで、2026年に流通する品質にも期待が持てそうです。GIによるブランド化、農園主たちの品質向上への意欲、そして豊作の年が重なるディリンは、ベトナム産高品質コーヒーの将来を占ううえでも目が離せない産地です。

ディリン産・真っ赤に熟したコーヒーチェリーのアップ写真
今年も豊作となったディリン産のコーヒーチェリー

次回は、パートナーであるTung氏の会社で行ったカッピング(テイスティング)と、新商品開発の様子をお届けします。

【ベトナム紀行③】Tung氏とのカッピング|日本向けベトナム産高品質コーヒーの裏側